凍結臍帯血中のCD34陽性細胞測定法 ProCOUNT法と7-AAD法による比較検討

臍帯血移植は造血幹細胞移植の手段として近年急速に増加してきているが, 骨髄移植に比べ好中球や血小板の生着に遅延が見られる事が重要な問題の一つである1)2). これまで移植後の生着速度の評価には移植される臍帯血中の総有核細胞数が目安として用いられてきたが, 最近移植臍帯血中に含まれる患者体重当たりのCD34陽性細胞数が一定の数値を超えると生着速度が速まる事が我々の施設を含めて報告されており3)4), CD34陽性細胞数の測定は移植臍帯血の有効性や安全性における品質評価法として重要である. 特に臍帯血移植においては凍結された細胞が解凍されて患者に移植されるため, 凍結解凍後におけるCD34陽性細胞...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 4; pp. 605 - 612
Main Authors 平井, 雅子, 崔, 硯, 長村(井上), 登紀子, 高橋, 恒夫, 高橋, 敦子, 須郷, 美智子, 塩谷, 美夏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.09.2004
日本輸血学会
Subjects
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.50.605

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Summary:臍帯血移植は造血幹細胞移植の手段として近年急速に増加してきているが, 骨髄移植に比べ好中球や血小板の生着に遅延が見られる事が重要な問題の一つである1)2). これまで移植後の生着速度の評価には移植される臍帯血中の総有核細胞数が目安として用いられてきたが, 最近移植臍帯血中に含まれる患者体重当たりのCD34陽性細胞数が一定の数値を超えると生着速度が速まる事が我々の施設を含めて報告されており3)4), CD34陽性細胞数の測定は移植臍帯血の有効性や安全性における品質評価法として重要である. 特に臍帯血移植においては凍結された細胞が解凍されて患者に移植されるため, 凍結解凍後におけるCD34陽性細胞数の正確な測定が重要になりつつある. 国内の臍帯血バンクでは移植用臍帯血本体と同時に検査用サンプルが凍結保存されており, 移植依頼のあった時点で解凍して検査を行い, 臍帯血本体の品質を確認している. しかし, 臍帯血中の有核細胞は凍結感受性の異なる細胞からなり, 凍結損傷を受けた細胞は移植において有効な細胞となり得ない事から, それらの細胞を除いて生着に有効なCD34陽性細胞数を正確に得る事が必要となる.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.50.605