側臥位ティンパノメトリによる中耳腔換気の研究 第2報 経迷路法による聴神経腫瘍術後耳症例
聴神経腫瘍摘出術を施行する際, 乳突蜂巣の削開にて乳突蜂巣の容積が減少することが, 中耳腔内圧に対してどのような影響を及ぼすかを, 側臥位姿勢をとることにより中耳腔内圧が上昇する現象を利用し, 側臥位姿勢における下方耳の中耳腔内圧を12秒ごとに連続記録した. 1. 聴神経腫瘍術後耳における体位変換による中耳腔内圧の上昇は, 健側耳に比べ明らかに大きかった. これは静脈圧上昇に加え, 体位変換による髄液圧上昇の影響も受けたためと思われる. 2. 聴神経腫瘍術後耳14耳と健側耳21耳について, 10分間の側臥位姿勢による中耳腔内圧上昇値について比較してみた. 聴神経腫瘍術後耳は, 乳突蜂巣の容積が...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 12; pp. 1887 - 1893,1977 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.12.1995
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.98.1887 |
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Summary: | 聴神経腫瘍摘出術を施行する際, 乳突蜂巣の削開にて乳突蜂巣の容積が減少することが, 中耳腔内圧に対してどのような影響を及ぼすかを, 側臥位姿勢をとることにより中耳腔内圧が上昇する現象を利用し, 側臥位姿勢における下方耳の中耳腔内圧を12秒ごとに連続記録した. 1. 聴神経腫瘍術後耳における体位変換による中耳腔内圧の上昇は, 健側耳に比べ明らかに大きかった. これは静脈圧上昇に加え, 体位変換による髄液圧上昇の影響も受けたためと思われる. 2. 聴神経腫瘍術後耳14耳と健側耳21耳について, 10分間の側臥位姿勢による中耳腔内圧上昇値について比較してみた. 聴神経腫瘍術後耳は, 乳突蜂巣の容積が明らかに減少しているにもかかわらず中耳腔内圧上昇値において, 健側耳と比べ明らかな差は認められなかった. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.98.1887 |