Pt–Mg担持ゼオライト触媒による長鎖アルカンの異性化・分解反応の制御

近年,動植物性油脂から得られる長鎖ノルマルパラフィンを原料としたジェット燃料の製造技術が非常に注目を集めている。これらからジェット燃料を生成するには,炭素数16~20のノルマルパラフィンを炭素数9~15のイソパラフィンに変換する必要があり,水素化異性化と分解反応の制御が不可欠である。この反応には,Pt担持ゼオライト触媒などの二元機能触媒が有効であるが,水素化異性化と分解反応の反応経路に対し,酸性状およびゼオライト細孔径が及ぼす影響は明らかとなっていない。そこで,長鎖直鎖アルカンから炭素数を3~5個減少させたイソパラフィン合成を実施した。n-ドデカン(n-C12)を原料とし,MgOとPtを担持さ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 67; no. 5; pp. 195 - 202
Main Authors 土屋, 匠, 木村, 健太郎, 多湖, 輝興, 雑賀, 隆志, 藤墳, 大裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 石油学会 01.09.2024
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.67.195

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Summary:近年,動植物性油脂から得られる長鎖ノルマルパラフィンを原料としたジェット燃料の製造技術が非常に注目を集めている。これらからジェット燃料を生成するには,炭素数16~20のノルマルパラフィンを炭素数9~15のイソパラフィンに変換する必要があり,水素化異性化と分解反応の制御が不可欠である。この反応には,Pt担持ゼオライト触媒などの二元機能触媒が有効であるが,水素化異性化と分解反応の反応経路に対し,酸性状およびゼオライト細孔径が及ぼす影響は明らかとなっていない。そこで,長鎖直鎖アルカンから炭素数を3~5個減少させたイソパラフィン合成を実施した。n-ドデカン(n-C12)を原料とし,MgOとPtを担持させたMFIを用いて酸性状の影響を把握した。また,MFI,Beta,FAUを用いてゼオライト細孔径が反応経路に及ぼす影響について検討した。Pt担持ゼオライト触媒にMgOを担持すると主に酸点量が減少し,i-C7-9の過分解が抑制され,i-C7-9収率が2倍以上に向上した。さらに,大細孔径のBeta,FAUを用いると,MFIに比べてn-C12から分岐鎖を三つ以上有するi-C12への異性化が促進され,これらが分解することでn-C12からi-C7-9収率がさらに上昇した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.67.195