UGV撮影画像を用いた葉いもち検出AIによる圃場の被害度の可視化
イネいもち病はイネの重要病害で、葉身上に病斑を形成するものを葉いもち、籾、枝梗、穂首に感染したものを穂いもちと呼ぶ。穂いもちは収量低下に直結するため、穂いもちの感染源となる葉いもちの早期発見と薬剤防除が重要となる。これまでUAV(Unmanned Aerial Vehicle)リモートセンシングによるイネいもち病の被害度評価が検討されてきた。葉いもち病斑を見つけるには低高度からの撮影が有効であるが、広い圃場全体をUAVで調査するには撮影枚数が増えるので、解析に多大な労力を要する。また回転翼の影響で植物体が揺れ、正確な発生評価が妨げられることがある。そこで、本研究では圃場の作物を近接リモートセン...
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| Published in | システム農学 Vol. 40; no. 4; pp. 47 - 54 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
システム農学会
25.12.2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 0913-7548 2189-0560 |
| DOI | 10.14962/jass.40.4_47 |
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| Summary: | イネいもち病はイネの重要病害で、葉身上に病斑を形成するものを葉いもち、籾、枝梗、穂首に感染したものを穂いもちと呼ぶ。穂いもちは収量低下に直結するため、穂いもちの感染源となる葉いもちの早期発見と薬剤防除が重要となる。これまでUAV(Unmanned Aerial Vehicle)リモートセンシングによるイネいもち病の被害度評価が検討されてきた。葉いもち病斑を見つけるには低高度からの撮影が有効であるが、広い圃場全体をUAVで調査するには撮影枚数が増えるので、解析に多大な労力を要する。また回転翼の影響で植物体が揺れ、正確な発生評価が妨げられることがある。そこで、本研究では圃場の作物を近接リモートセンシングできるUGV(Unmanned Ground Vehicle)から撮影したイネいもち病発生圃場の画像からDL(Deep learning)の物体検出AI(Artificial Intelligence)を用いて葉いもち検出AIを作成し、葉いもち病斑の検出精度と活用の可能性を評価した。作成した葉いもち検出AIの精度は、葉いもち病斑の検出において、適合率が0.58、再現率が0.61、F値が0.59であり、UGVで撮影した画像から作成した葉いもち検出AIを用いて葉いもちを検出できることが明らかとなった。次に、作成した葉いもち検出AIを用いて圃場内の葉いもち発生箇所および葉いもち被害度の推定を試みた。圃場を5 m×5 mのグリッドで分割することにより、葉いもちの発生分布・被害度を可視化した。本試験で用いたUGVはRTK-GNSS(Real Time Kinematic-Global Navigation Satellite System)による数センチ単位の自己位置推定とそれによる走行制御が可能である。葉いもち検出AIにより圃場の病害発生箇所を高精度に特定することにより、UAVまたはUGVに薬剤散布機を搭載して、圃場内を効率的、機動的に薬剤防除できる可能性がある。 |
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| ISSN: | 0913-7548 2189-0560 |
| DOI: | 10.14962/jass.40.4_47 |