過渡矩形周期加熱による熱物性の同定

熱拡散率の測定法としてよく知られたレーザフラッシュ法の加熱源であるパルスレーザの代わりに、入手が容易な半導体レーザを用いる事を検討する。但しこの場合試料への入力波形は矩形周期波形となり、過渡応答波形の解析解は容易に求められない。しかし細野により開発された高速ラプラス逆変換(FILT)を使えば容易に応答波形の数値解を得る事が出来る事を示す。さらにこの数値解を使えば、入力熱流束の大きさを既知として、試料の熱拡散率だけでなく熱伝導率、すなわち試料の熱物性値を同定することが出来る。FILTの使用例が少ないがその有効性を考慮し、プログラミング言語にC++を用いれば汎用プログラムが書け、使い易くなる事を指...

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Published in熱物性 Vol. 27; no. 1; pp. 21 - 26
Main Author 加納, 喜代継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2014
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ISSN0913-946X
1881-414X
DOI10.2963/jjtp.27.21

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Summary:熱拡散率の測定法としてよく知られたレーザフラッシュ法の加熱源であるパルスレーザの代わりに、入手が容易な半導体レーザを用いる事を検討する。但しこの場合試料への入力波形は矩形周期波形となり、過渡応答波形の解析解は容易に求められない。しかし細野により開発された高速ラプラス逆変換(FILT)を使えば容易に応答波形の数値解を得る事が出来る事を示す。さらにこの数値解を使えば、入力熱流束の大きさを既知として、試料の熱拡散率だけでなく熱伝導率、すなわち試料の熱物性値を同定することが出来る。FILTの使用例が少ないがその有効性を考慮し、プログラミング言語にC++を用いれば汎用プログラムが書け、使い易くなる事を指摘した。また熱物性同定法の確認として単層の場合、2層の場合についてシミュレーションを行った。
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.27.21