Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群診療情報ネット

Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群は皮膚fibrofolliculoma,腎腫瘍,多発性肺嚢胞を三主徴とする常染色体優性遺伝性疾患である.2002年にNickersonらによって同定された責任遺伝子は17p11.2に座し,folliculin(FLCN)と命名された.殆ど全ての有病者に胸部CTで多発性肺嚢胞が認められる.欧米人ではfibrofolliculomaが高頻度に認められるが,日本人では軽微なことが多い.生命予後を左右するのは多発性腎腫瘍で,中高年では3人に1人の頻度である.BHD症候群の国際的診断基準は確定していないが,FLCN生殖細胞系列変異はサンガーシークエンス法で9割...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 19; no. 1; pp. 24 - 27
Main Author 古屋, 充子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 2019
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ISSN1346-1052
2189-6674
DOI10.18976/jsft.19.1_24

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Summary:Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群は皮膚fibrofolliculoma,腎腫瘍,多発性肺嚢胞を三主徴とする常染色体優性遺伝性疾患である.2002年にNickersonらによって同定された責任遺伝子は17p11.2に座し,folliculin(FLCN)と命名された.殆ど全ての有病者に胸部CTで多発性肺嚢胞が認められる.欧米人ではfibrofolliculomaが高頻度に認められるが,日本人では軽微なことが多い.生命予後を左右するのは多発性腎腫瘍で,中高年では3人に1人の頻度である.BHD症候群の国際的診断基準は確定していないが,FLCN生殖細胞系列変異はサンガーシークエンス法で9割程度同定できるため,遺伝学的検査によって確定することが主流である.BHD症候群診療情報ネット(https://www.bhd-net.jp/)は,診療や交流会等の情報発信を通じて医療関係者の診療相談に対応するとともに,患者家族支援を行っている.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.19.1_24