専門看護師の倫理調整に関する役割開発の契機となった経験
本研究の目的は、専門看護師(CNS)の倫理調整に関する役割開発の契機となった経験を明らかにすることである。CNS 9名にナラティヴ・アプローチに基づくインタビュー調査を行った。CNSらのナラティヴから4つのテーマ、1)相手の本当の声に耳を傾け続け、手だてを尽くす経験、2)今、ここでの自分の判断と行為に全力でかける経験、3)自分の存在・価値観が患者やスタッフにもたらす影響を自問する経験、4)組織・職種間の価値観の違いを超えようと模索する経験が明らかになった。出来事の語り方の特徴から役割開発の契機となった経験は、1)CNSの予想に反する転機がおとずれ、急転的に変化する、2)役割開発の契機はCNSが...
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Published in | 日本看護倫理学会誌 Vol. 11; no. 1; pp. 20 - 29 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護倫理学会
20.03.2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2434-7361 |
DOI | 10.32275/jjne.11.1_20 |
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Summary: | 本研究の目的は、専門看護師(CNS)の倫理調整に関する役割開発の契機となった経験を明らかにすることである。CNS 9名にナラティヴ・アプローチに基づくインタビュー調査を行った。CNSらのナラティヴから4つのテーマ、1)相手の本当の声に耳を傾け続け、手だてを尽くす経験、2)今、ここでの自分の判断と行為に全力でかける経験、3)自分の存在・価値観が患者やスタッフにもたらす影響を自問する経験、4)組織・職種間の価値観の違いを超えようと模索する経験が明らかになった。出来事の語り方の特徴から役割開発の契機となった経験は、1)CNSの予想に反する転機がおとずれ、急転的に変化する、2)役割開発の契機はCNSが構築してきた医師・他職種との関係性の構築やシステムづくりに関連する、3)倫理調整役割を比喩的に表現し、自らの言葉で表現する、という特徴があることが明らかになった。 |
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ISSN: | 2434-7361 |
DOI: | 10.32275/jjne.11.1_20 |