固相転換法によるMFIゼオライト内包金属微粒子触媒の開発と有用化学物質生成のためのエタン脱水素芳香族化

本研究は,含浸法により調製したPt担持MFIゼオライト(Pt/MFI)上にアモルファスシリカアルミナ層を形成し,同アモルファス層を固相転換することによりゼオライト内包Pt微粒子触媒を調製した(Pt@MFI)。芳香環選択水素化反応によりPt微粒子の固定化位置を確認した結果,Pt/MFIはトルエン(TOL)と1,3,5-トリメチルベンゼン(TMB)の水素化に対して同等の活性を示した。一方,Pt@MFIはTOLを効率的に水素化したが,TMBはほとんど水素化しなかった。よって,Ptによる芳香族水素化反応に対して,Pt@MFIはゼオライト細孔サイズに起因する形状選択性が発現したことが示唆された。さらに,...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 67; no. 5; pp. 158 - 166
Main Authors 中谷, のどか, 藤墳, 大裕, 木村, 健太郎, 多湖, 輝興, 遠藤, 海咲, 叶, 家楠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 石油学会 01.09.2024
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.67.158

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Summary:本研究は,含浸法により調製したPt担持MFIゼオライト(Pt/MFI)上にアモルファスシリカアルミナ層を形成し,同アモルファス層を固相転換することによりゼオライト内包Pt微粒子触媒を調製した(Pt@MFI)。芳香環選択水素化反応によりPt微粒子の固定化位置を確認した結果,Pt/MFIはトルエン(TOL)と1,3,5-トリメチルベンゼン(TMB)の水素化に対して同等の活性を示した。一方,Pt@MFIはTOLを効率的に水素化したが,TMBはほとんど水素化しなかった。よって,Ptによる芳香族水素化反応に対して,Pt@MFIはゼオライト細孔サイズに起因する形状選択性が発現したことが示唆された。さらに,エタンの脱水素反応により,調製したPt@MFIとPt/MFIの活性を比較した結果,Pt@MFIはPt/MFIよりも高い脱水素活性を示した。これは,Pt@MFIの内包構造によりPtのシンタリングが抑制されたためであると考えられる。よって,ゼオライトにより内包されたPt@MFIのPt微粒子は,優れた耐シンタリング性と芳香族に対する形状選択性を示した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.67.158