開業医療における専門横断的(transdisciplinary)アプローチ:全人的な開業医療

開業医療において,機能性身体症候群(FSS)の患者が存在することがある.しかし,FSSの病態は複雑であり,単一の専門分野での治療では効果がないことがしばしばである.複雑な問題を解決するために,複数の分野(multiple disciplinarity)によるアプローチが試みられる.そのアプローチには,多専門的(multidisciplinary),学際的(interdisciplinary)および専門横断的(transdisciplinary)の3つがある.私たちは,地方の一般整形外科開業医療における専門横断的アプローチを実現するために,身体・心理・社会・実存的医療モデル(BPS-Eモデル)を...

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Published in全人的医療 Vol. 20; no. 1; pp. 13 - 24
Main Authors 加藤, 晃己, 市川, 亜弥, 喜山, 克彦, 絹川, 典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 国際全人医療研究所 25.03.2022
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ISSN1341-7150
2434-687X
DOI10.32183/ifcm.20.1_13

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Summary:開業医療において,機能性身体症候群(FSS)の患者が存在することがある.しかし,FSSの病態は複雑であり,単一の専門分野での治療では効果がないことがしばしばである.複雑な問題を解決するために,複数の分野(multiple disciplinarity)によるアプローチが試みられる.そのアプローチには,多専門的(multidisciplinary),学際的(interdisciplinary)および専門横断的(transdisciplinary)の3つがある.私たちは,地方の一般整形外科開業医療における専門横断的アプローチを実現するために,身体・心理・社会・実存的医療モデル(BPS-Eモデル)を導入した.このことは,FSSに対する治療もしくは慢性機能障害性身体的苦悩(CDBD)発症の予防および慢性疼痛難民の減少に寄与する可能性があると考える.
ISSN:1341-7150
2434-687X
DOI:10.32183/ifcm.20.1_13