2024年日本不安症学会学術賞記念論文】社交不安症に対する認知行動療法の治療反応を安静時脳機能結合から予測する

社交不安症における治療の第一選択として認知行動療法が推奨されているが,治療メカニズムについて安静時脳機能結合から考察した報告はほとんどない。本稿では,社交不安症に対して個人認知療法を行い安静時脳機能結合により治療メカニズムを考察したKurita et al.(2023)の研究を紹介した。研究の結果,社交不安症患者は個人認知療法後に視床と前頭極の安静時脳機能結合が低下し,治療前の視床と前頭極の安静時脳機能結合が治療反応を予測する可能性が示唆された。研究結果を活用することが,個人認知療法における治療メカニズムの理解と,認知行動療法を受ける社交不安症患者の治療効果を予測するバイオマーカーとなる可能性...

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Published in不安症研究 Vol. 16; no. 1; pp. 31 - 37
Main Author 栗田, 幸平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本不安症学会 30.11.2024
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ISSN2188-7578
2188-7586
DOI10.14389/jsad.16.1_31

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Summary:社交不安症における治療の第一選択として認知行動療法が推奨されているが,治療メカニズムについて安静時脳機能結合から考察した報告はほとんどない。本稿では,社交不安症に対して個人認知療法を行い安静時脳機能結合により治療メカニズムを考察したKurita et al.(2023)の研究を紹介した。研究の結果,社交不安症患者は個人認知療法後に視床と前頭極の安静時脳機能結合が低下し,治療前の視床と前頭極の安静時脳機能結合が治療反応を予測する可能性が示唆された。研究結果を活用することが,個人認知療法における治療メカニズムの理解と,認知行動療法を受ける社交不安症患者の治療効果を予測するバイオマーカーとなる可能性が期待される。
ISSN:2188-7578
2188-7586
DOI:10.14389/jsad.16.1_31