アジア諸国向け輸出のための緑化木苗木5種の品質保持方法
東アジアや東南アジア地域への輸出を想定した品質保持技術の開発を目的として,輸送用コンテナの違いと蒸散抑制処理,ポリ袋梱包の有無が緑化木苗木の品質に及ぼす影響について検討した。出庫後の調査では,ツバキ「一休」の健全株率は,冷蔵コンテナでは100%であったが,ドライコンテナでは蒸散抑制処理およびポリ袋梱包により一定の効果が認められたものの低くなった。クルメツツジ「筑紫紅」の健全株率は,ドライコンテナでは低下したが,ポリ袋梱包をして冷蔵コンテナで保管すると100%であった。サザンカ「勘次郎」とクロマツは,すべての試験区で萎凋や枯死株は認められなかった。イヌツゲは,梱包をせずに冷蔵コンテナに保管すると...
Saved in:
Published in | 福岡県農林業総合試験場研究報告 Vol. 10; pp. 50 - 55 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
地方公共団体 福岡県農林業総合試験場
2024
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2189-4876 2759-257X |
DOI | 10.60399/fafrc.10.0_50 |
Cover
Summary: | 東アジアや東南アジア地域への輸出を想定した品質保持技術の開発を目的として,輸送用コンテナの違いと蒸散抑制処理,ポリ袋梱包の有無が緑化木苗木の品質に及ぼす影響について検討した。出庫後の調査では,ツバキ「一休」の健全株率は,冷蔵コンテナでは100%であったが,ドライコンテナでは蒸散抑制処理およびポリ袋梱包により一定の効果が認められたものの低くなった。クルメツツジ「筑紫紅」の健全株率は,ドライコンテナでは低下したが,ポリ袋梱包をして冷蔵コンテナで保管すると100%であった。サザンカ「勘次郎」とクロマツは,すべての試験区で萎凋や枯死株は認められなかった。イヌツゲは,梱包をせずに冷蔵コンテナに保管すると根鉢の乾燥による品質低下が一部で認められたが,ドライコンテナでは萎凋や枯死株は認められなかった。これらのことから,緑化木苗木における最適な輸送方法は樹種により異なり,ツバキ,クルメツツジでは冷蔵コンテナを用いる必要があり,サザンカ,イヌツゲおよびクロマツでは,より低コストなドライコンテナでの輸送が可能であることが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 2189-4876 2759-257X |
DOI: | 10.60399/fafrc.10.0_50 |