原発性胃アミロイドーシスの1例 : NBI観察の臨床的意義

症例は68歳,女性.胃前庭部のⅡc様病変からの生検にてアミロイド沈着がみられ,λ陽性の形質細胞浸潤が目立ち,病変が胃に限定されていることから,胃原発性ALアミロイドーシスと診断された.診断後,6カ月の内視鏡検査にてⅡc様病変は浅く,広い潰瘍性病変に変化しており,この所見は数年間にわたり変化がみられなかった.NBI観察では通常光観察に比較して潰瘍境界部がより明瞭に観察され,潰瘍部が白色調を呈した.これらの所見はアミロイド沈着による粘膜・粘膜下層の循環障害が寄与しており,NBIがアミロイド沈着・非沈着部の評価に有用であることが示唆された....

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 91; no. 1; pp. 106 - 108
Main Authors 高取, 正雄, 高取, 祐作, 三浦, 克洋, 鈴木, 英之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2017
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.91.1_106

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Summary:症例は68歳,女性.胃前庭部のⅡc様病変からの生検にてアミロイド沈着がみられ,λ陽性の形質細胞浸潤が目立ち,病変が胃に限定されていることから,胃原発性ALアミロイドーシスと診断された.診断後,6カ月の内視鏡検査にてⅡc様病変は浅く,広い潰瘍性病変に変化しており,この所見は数年間にわたり変化がみられなかった.NBI観察では通常光観察に比較して潰瘍境界部がより明瞭に観察され,潰瘍部が白色調を呈した.これらの所見はアミロイド沈着による粘膜・粘膜下層の循環障害が寄与しており,NBIがアミロイド沈着・非沈着部の評価に有用であることが示唆された.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.91.1_106