肘関節屈筋群の等尺性収縮が対側脊髄運動神経機能にあたえる影響 F波における検討
理学療法において等尺性収縮が対側神経機能に促通効果を期待する訓練の神経生理学的裏づけを行うために,肘関節屈筋群の等尺性収縮が対側脊髄神経機能にあたえる影響をF波により検討した。全例右利きである健常者12例の両上肢24肢,平均年齢20.8歳を対象とし,肘関節屈筋群に安静時,最大等尺性収縮の25,50,75,100%を50秒間実施中に対側母指対立筋よりF波を記録した。結果は,等尺性収縮度の増加にともない対側F波出現頻度,振幅F/M比は増加し(分散分析p<0.01),特に最大収縮の75%および100%の等尺性収縮では安静時と比較して対側F波出現頻度,振幅F/M比は有意に増力した(t-検定 p&...
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Published in | 理学療法学 Vol. 19; no. 4; pp. 359 - 364 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
10.07.1992
公益社団法人日本理学療法士協会 Japanese Physical Therapy Association (JPTA) |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00001306504 |
Cover
Summary: | 理学療法において等尺性収縮が対側神経機能に促通効果を期待する訓練の神経生理学的裏づけを行うために,肘関節屈筋群の等尺性収縮が対側脊髄神経機能にあたえる影響をF波により検討した。全例右利きである健常者12例の両上肢24肢,平均年齢20.8歳を対象とし,肘関節屈筋群に安静時,最大等尺性収縮の25,50,75,100%を50秒間実施中に対側母指対立筋よりF波を記録した。結果は,等尺性収縮度の増加にともない対側F波出現頻度,振幅F/M比は増加し(分散分析p<0.01),特に最大収縮の75%および100%の等尺性収縮では安静時と比較して対側F波出現頻度,振幅F/M比は有意に増力した(t-検定 p<0.01,p<0.05)。 これより,肘関節屈筋群の等尺性収縮度の増加は,対側の神経筋単位数の増加と各神経筋単位の興奮度の上昇により対側脊髄前角細胞プールの興奮性は増大し,その傾向は最大等尺性収縮の75%以上で著明であった。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00001306504 |