視能訓練士の臨地実習の標準化 当施設実習生と受け入れ施設のアンケート結果

目的:日本大学板橋病院の臨地実習プログラムの評価と他実習受け入れ施設の実習内容や実習の問題点などの実情について調査を行ない、臨地実習教育の質の向上を図ることを目的とした。 対象と方法:調査の対象は、平成15年より当施設で実習を終えた視能訓練士23名と関東地区で臨床経験5年以上の指導者のいる大学病院を中心とした20施設である。 結果:当施設の実習プログラムについては、広く眼科診療や一般検査の臨床体験が印象に残ったとの回答から評価されたという結果であった。 回答者の勤務先は、一般開業医が多く、実習要望については斜視弱視の検査、訓練の要望が多かった。臨地実習で学校での基礎知識の活用ができないとの回答...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 36; pp. 161 - 170
Main Authors 樋渡, 夕美子, 小林, 莉香, 梶野, 圭子, 西尾, 美樹, 佐藤, 江理, 福山, 千代美
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2007
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.36.161

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Summary:目的:日本大学板橋病院の臨地実習プログラムの評価と他実習受け入れ施設の実習内容や実習の問題点などの実情について調査を行ない、臨地実習教育の質の向上を図ることを目的とした。 対象と方法:調査の対象は、平成15年より当施設で実習を終えた視能訓練士23名と関東地区で臨床経験5年以上の指導者のいる大学病院を中心とした20施設である。 結果:当施設の実習プログラムについては、広く眼科診療や一般検査の臨床体験が印象に残ったとの回答から評価されたという結果であった。 回答者の勤務先は、一般開業医が多く、実習要望については斜視弱視の検査、訓練の要望が多かった。臨地実習で学校での基礎知識の活用ができないとの回答が多かったが、実習受け入れ施設でも基礎知識の不足している学生が多く、知識レベルが一定していないため指導方針が立てにくいとの意見があった。 考案:斜視弱視の実習要望については、回答者が一般開業医勤務者が多く症例に遭遇する機会が少ないためと考えられた。これについては実習内容項目の均一化を図るため、専門とする実習施設と組み合わせることで解決できると考えられた。今回の調査から臨地実習を効果的に行うために、実習前の基礎知識の習得やそのレベルの確認など、基礎知識を臨床で活用できるような診療形態を模した実習指導法の導入により、臨地実習の均一化と質の向上のための卒前教育への取り組みが必要と考えられた。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.36.161