頭蓋縫合早期癒合症に対する外科治療 本邦での歴史といくつかの考え

頭蓋縫合早期癒合症の外科治療の歴史と日本における治療法の変遷,低侵襲治療として,1)手術手技,2)術式選択,3)手術回数,4)総治療期間の観点から,縫合切除,骨延長の実際について紹介した。また前頭骨の解剖学的特殊性の考察から,前頭縫合,頭蓋底縫合につながる冠状縫合輪罹患例には特別の配慮を要すると考え,特に軽度三角頭蓋についてのわれわれの治療方針について述べた。一般に斜頭・三角頭については,形態改善の意味から従来法が勧められ,短頭など,前頭狭小例には骨延長法が適しており,舟状頭は,手術時期,変形の程度により術式の選択をすべきで,骨延長法の手術時年齢を拡大できる縫合切除を加えた骨延長法について解説...

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Published in創傷 Vol. 8; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 大谷, 一弘, 稲垣, 隆介, 久徳, 茂雄, 上田, 晃一, 梶本, 宣永, 岩永, 紘征
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本創傷外科学会 2017
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ISSN1884-880X
DOI10.11310/jsswc.8.1

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Summary:頭蓋縫合早期癒合症の外科治療の歴史と日本における治療法の変遷,低侵襲治療として,1)手術手技,2)術式選択,3)手術回数,4)総治療期間の観点から,縫合切除,骨延長の実際について紹介した。また前頭骨の解剖学的特殊性の考察から,前頭縫合,頭蓋底縫合につながる冠状縫合輪罹患例には特別の配慮を要すると考え,特に軽度三角頭蓋についてのわれわれの治療方針について述べた。一般に斜頭・三角頭については,形態改善の意味から従来法が勧められ,短頭など,前頭狭小例には骨延長法が適しており,舟状頭は,手術時期,変形の程度により術式の選択をすべきで,骨延長法の手術時年齢を拡大できる縫合切除を加えた骨延長法について解説した。症候群性については,早期の頭蓋容積拡大を要し,延長法による後方拡大が有用と思われる。
ISSN:1884-880X
DOI:10.11310/jsswc.8.1