当院でのカットダウン法によるペースメーカ植込みの現況 -穿刺法との合併症発生率の比較

  当院では恒久DDD ペースメーカの新規植込みに際して、橈側皮静脈のカットダウン法によるリード留置を第一選択とし、橈側皮静脈が使用できなかった場合に穿刺法に切り替えている。カットダウン法でリードを留置した群(C 群139 例)と、穿刺法による症例および術中にカットダウン法から穿刺法に切り替えた群(P 群121 例)の二群間での周術期合併症を後方視的に比較検討した。カットダウン法の完遂率は81%(139/172 例)であった。血胸は両群ともに無く、気胸はC 群0 例、P 群2 例、血腫形成はP 群で有意に多かった(C群2.8%、P 群9.9%、p = 0.02)。カットダウン法は穿刺法と比し合...

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Published in循環制御 Vol. 46; no. 1; pp. 22 - 25
Main Authors 藤田, 智之, 大林, 民幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2025
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.46.22

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Summary:  当院では恒久DDD ペースメーカの新規植込みに際して、橈側皮静脈のカットダウン法によるリード留置を第一選択とし、橈側皮静脈が使用できなかった場合に穿刺法に切り替えている。カットダウン法でリードを留置した群(C 群139 例)と、穿刺法による症例および術中にカットダウン法から穿刺法に切り替えた群(P 群121 例)の二群間での周術期合併症を後方視的に比較検討した。カットダウン法の完遂率は81%(139/172 例)であった。血胸は両群ともに無く、気胸はC 群0 例、P 群2 例、血腫形成はP 群で有意に多かった(C群2.8%、P 群9.9%、p = 0.02)。カットダウン法は穿刺法と比し合併症が少なく、第一選択とすることは妥当と考えられる。
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.46.22