食後高血糖と高トリグリセリド血症の影響:内皮前駆細胞と骨髄幹/前駆細胞の老化に焦点を当てて

2型糖尿病(T2DM)の有病率の上昇は,アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)との関連により,重大な公衆衛生上の懸念となっています.T2DMは慢性的な高血糖と糖尿病性脂質異常症を特徴とし,内皮機能障害を引き起こし,ASCVDの進行を加速させます.T2DM患者における高トリグリセリド(TG)は,心血管リスクを増加させます.血管修復に重要な役割を果たす内皮前駆細胞(EPC)は,特に食後の血糖値や脂質の急上昇により,T2DMにおいて顕著に減少し,その再生能力が低下します.血糖管理と脂質管理をターゲットとした介入により,EPCの機能と糖尿病患者の血管アウトカムが改善される可能性があります....

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Bibliographic Details
Published in関西医科大学雑誌 Vol. 75; pp. 7 - 11
Main Authors 堀谷, 啓太, 塩嶋, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 関西医科大学医学会 2024
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ISSN0022-8400
2185-3851
DOI10.5361/jkmu.75.7

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Summary:2型糖尿病(T2DM)の有病率の上昇は,アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)との関連により,重大な公衆衛生上の懸念となっています.T2DMは慢性的な高血糖と糖尿病性脂質異常症を特徴とし,内皮機能障害を引き起こし,ASCVDの進行を加速させます.T2DM患者における高トリグリセリド(TG)は,心血管リスクを増加させます.血管修復に重要な役割を果たす内皮前駆細胞(EPC)は,特に食後の血糖値や脂質の急上昇により,T2DMにおいて顕著に減少し,その再生能力が低下します.血糖管理と脂質管理をターゲットとした介入により,EPCの機能と糖尿病患者の血管アウトカムが改善される可能性があります.
ISSN:0022-8400
2185-3851
DOI:10.5361/jkmu.75.7