Brugada症候群と早期再分極症候群(J波症候群)の薬物療法
Brugada症候群と早期再分極症候群は,心室細動(VF)を発症し突然死を起こす可能性がある.両症候群は,心電図でST上昇(J波)を認める.その主な機序として,一過性外向き電流(Ito)の増加が考えられている.キニジンに代表されるItoを抑制する薬剤はVFの発生を抑制するとの報告があり,同時にJ波を消失させることも明らかにされている.このような薬剤は,Brugada症候群と早期再分極症候群において植込み型除細動器施行後のVFに対する補助的治療として使用される.本論文では,Brugada症候群と早期再分極症候群に対して有効な薬剤の作用機序を解説し,薬物療法の既報についてまとめる....
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Published in | 心電図 Vol. 35; no. 2; pp. 95 - 103 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.35.95 |
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Summary: | Brugada症候群と早期再分極症候群は,心室細動(VF)を発症し突然死を起こす可能性がある.両症候群は,心電図でST上昇(J波)を認める.その主な機序として,一過性外向き電流(Ito)の増加が考えられている.キニジンに代表されるItoを抑制する薬剤はVFの発生を抑制するとの報告があり,同時にJ波を消失させることも明らかにされている.このような薬剤は,Brugada症候群と早期再分極症候群において植込み型除細動器施行後のVFに対する補助的治療として使用される.本論文では,Brugada症候群と早期再分極症候群に対して有効な薬剤の作用機序を解説し,薬物療法の既報についてまとめる. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.35.95 |