日本国内におけるマダニ遺伝子データベースの構築:マダニミトコンドリア16S rDNAを用いた遺伝学的同定法確立の試み
マダニはライム病や日本紅斑熱などの起因病原体を伝播することから,人体刺咬例等のマダニ種同定の為に,迅速同定法開発が急務とされている.加えて,マダニの同定は形態学的な手法がGold standardであるが,虫体が欠損している場合などは形態同定が困難となる場合がある.このため,マダニ種同定の一助として,マダニミトコンドリア16S rRNA(mt-rrs)DNA配列の遺伝子データベースを構築し,これをもとにした系統学的な解析を行うとともに,その遺伝学的同定法の感度を調べた.国内に生息するマダニ47種中,39種について解析を行い,この内36種(92.3%)がDNA配列により区別できたことから,今後,...
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| Published in | 衛生動物 Vol. 65; no. 1; pp. 13 - 21 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
日本衛生動物学会
2014
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0424-7086 2185-5609 |
| DOI | 10.7601/mez.65.13 |
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| Summary: | マダニはライム病や日本紅斑熱などの起因病原体を伝播することから,人体刺咬例等のマダニ種同定の為に,迅速同定法開発が急務とされている.加えて,マダニの同定は形態学的な手法がGold standardであるが,虫体が欠損している場合などは形態同定が困難となる場合がある.このため,マダニ種同定の一助として,マダニミトコンドリア16S rRNA(mt-rrs)DNA配列の遺伝子データベースを構築し,これをもとにした系統学的な解析を行うとともに,その遺伝学的同定法の感度を調べた.国内に生息するマダニ47種中,39種について解析を行い,この内36種(92.3%)がDNA配列により区別できたことから,今後,マダニ形態同定が困難な場合でもその迅速同定が可能になると思われる.本研究で決定した全ての配列はGenBankに登録を行い,公共利用を可能としている. |
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| ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
| DOI: | 10.7601/mez.65.13 |