出血発症もやもや病に対する外科治療のエビデンスと最新の知見
The Japan Adult Moyamoya (JAM) Trialは, 出血発症もやもや病に対する直接バイパス術の有効性を初めて示した無作為比較試験である. 事前に定められたJAM Trialのサブ解析では, 初回後方出血が再出血の予後予測因子かつ手術の効果修飾因子であることが明らかとなった. レンズ核線条体動脈・視床穿通枝・脈絡叢動脈から形成される脆弱側副路であるperiventricular anastomosisが, 後方出血群の高い再出血率を説明する鍵となるかもしれない. JAM Trialの血管撮影解析では, 脈絡叢動脈からの側副路や後大脳動脈病変の存在が, 初回後方出血に関わ...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 26; no. 1; pp. 4 - 11 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.26.4 |
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Summary: | The Japan Adult Moyamoya (JAM) Trialは, 出血発症もやもや病に対する直接バイパス術の有効性を初めて示した無作為比較試験である. 事前に定められたJAM Trialのサブ解析では, 初回後方出血が再出血の予後予測因子かつ手術の効果修飾因子であることが明らかとなった. レンズ核線条体動脈・視床穿通枝・脈絡叢動脈から形成される脆弱側副路であるperiventricular anastomosisが, 後方出血群の高い再出血率を説明する鍵となるかもしれない. JAM Trialの血管撮影解析では, 脈絡叢動脈からの側副路や後大脳動脈病変の存在が, 初回後方出血に関わる要因であった. 脈絡叢動脈や後大脳動脈に関する知見の蓄積により, 出血発症もやもや病外科治療のさらなる発展が期待される. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.26.4 |