大腿動脈刺針による指尖容積脈波の変化
1) 動脈刺針の効果に関する定量的記載を試みた。 2) 下肢閉塞性動脈疾患を有する患者の大腿動脈に刺針し, 同側の足指端の容積脈波を測定した。 3) 脈波高は5分後に18.2%の上昇を認めた。これは血流量の増加を意味する。 4) 心拍効果は直後から5分後に26.7%の上昇がみられた。従って波高の上昇に心拍数は影響してない事を意味する。 5) 大腿動脈の刺針は血管に分布する交感神経を刺激するにもかかわらず, 脈波高が増加するのは交感神経の別な機能, すなわち拡張性によるものと思われる。 6) 拡張性の交感神経は動静脈吻合などの部位に卓越しているといわれるから, 刺激部位の選定が問題である。 7)...
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Published in | 日本鍼灸治療学会誌 Vol. 25; no. 3; pp. 25 - 30,68 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 全日本鍼灸学会
01.08.1976
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ISSN | 0546-1367 2185-9434 |
DOI | 10.11525/jjsam1955.25.3_25 |
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Summary: | 1) 動脈刺針の効果に関する定量的記載を試みた。 2) 下肢閉塞性動脈疾患を有する患者の大腿動脈に刺針し, 同側の足指端の容積脈波を測定した。 3) 脈波高は5分後に18.2%の上昇を認めた。これは血流量の増加を意味する。 4) 心拍効果は直後から5分後に26.7%の上昇がみられた。従って波高の上昇に心拍数は影響してない事を意味する。 5) 大腿動脈の刺針は血管に分布する交感神経を刺激するにもかかわらず, 脈波高が増加するのは交感神経の別な機能, すなわち拡張性によるものと思われる。 6) 拡張性の交感神経は動静脈吻合などの部位に卓越しているといわれるから, 刺激部位の選定が問題である。 7) 刺激量, および長期の経過に関しては今後別に行うべきである。 8) 一般的に刺針の効果判定のために, 脈波を用いる事は今のところ画然とした弁別能があるとは言えないので, 別な方法の開発が必要である。 |
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ISSN: | 0546-1367 2185-9434 |
DOI: | 10.11525/jjsam1955.25.3_25 |