1年間の短時間通所リハが運動器疾患を有する地域在住後期高齢者の日中の活動パターンに及ぼす影響

通所リハビリテーション(通所リハ)の効果に関する研究では,通所リハを利用する高齢者において,運動機能の維持向上や生活空間の拡大など一定の効果が認められることが報告されている。しかし,通所リハが日々の活動パターンに及ぼす影響に関してはよくわかっていない。そこで本研究では,通所リハが運動器疾患を有する後期高齢者の日中の身体活動量・活動パターンにどのような影響を及ぼすか調査した。2019年から2021年の間に当院通所リハを1年間利用した11名(81.3 ± 4.9歳)を対象に,利用開始時と1年後に,身体活動量,心身機能,要介護度を評価した。その結果,1年後の歩数は午前午後ともに増加しており,1日の平...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inPhysical Therapy Kagoshima Vol. 2; pp. 63 - 68
Main Authors 松崎 凌真, 上田 晃希, 松岡 輝樹, 富原 優子, 長嶺 安通, 宮﨑 雅司, 中西 和毅, 榊間 春利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会 2023
Kagoshima Physical Association
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2436-8458
DOI10.57357/ptkagoshima.2.0_63

Cover

More Information
Summary:通所リハビリテーション(通所リハ)の効果に関する研究では,通所リハを利用する高齢者において,運動機能の維持向上や生活空間の拡大など一定の効果が認められることが報告されている。しかし,通所リハが日々の活動パターンに及ぼす影響に関してはよくわかっていない。そこで本研究では,通所リハが運動器疾患を有する後期高齢者の日中の身体活動量・活動パターンにどのような影響を及ぼすか調査した。2019年から2021年の間に当院通所リハを1年間利用した11名(81.3 ± 4.9歳)を対象に,利用開始時と1年後に,身体活動量,心身機能,要介護度を評価した。その結果,1年後の歩数は午前午後ともに増加しており,1日の平均歩数は有意に増加していた。1年後の運動機能は,有意な変化を認めなかった。うつ病のスクリーニングに用いられるGeriatric Depression Scale-15に関して,利用開始時の中央値がうつ傾向の8.0点から1年後には3.0点と減少していたが,有意差はなかった。要介護度に関して,2名が改善し,7名が維持されていた。これらの結果から,1年間の通所リハが歩行活動を向上させ,日々の活動パターンに影響を及ぼす可能性が示唆された。
ISSN:2436-8458
DOI:10.57357/ptkagoshima.2.0_63