急性胆嚢炎, 胆管炎におけるCefoperazoneの臨床的研究 治療効果と組織内濃度について
近年, 胆嚢炎, 胆石症等の胆道系疾患の患者は増加しており, 特に急性胆嚢炎患者が救急にて運ばれてくることもまれではない。これらの患者は, 急性腹症, 胆嚢炎等の診断を受けて治療され, 軽快, 再発をくりかえして, 種々の抗生剤による治療を受けていることが多い。したがつて, すでに各種の抗生剤がかなり長期間, しかも不充分な使用量により使用され, このために入院治療をおこなつても, 種々の抗生剤に耐性をもつている起炎菌のために, 治療に困難を来たすこともまれではなくなつている。特に最近, 広く用いられている合成ペニシリン剤, セファロスポリン剤に耐性をもつているβ-Lactamase産生菌の存...
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          | Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 33; no. 12; pp. 1294 - 1300 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本感染症医薬品協会
    
        01.12.1980
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| ISSN | 0368-2781 2186-5477  | 
| DOI | 10.11553/antibiotics1968b.33.1294 | 
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| Summary: | 近年, 胆嚢炎, 胆石症等の胆道系疾患の患者は増加しており, 特に急性胆嚢炎患者が救急にて運ばれてくることもまれではない。これらの患者は, 急性腹症, 胆嚢炎等の診断を受けて治療され, 軽快, 再発をくりかえして, 種々の抗生剤による治療を受けていることが多い。したがつて, すでに各種の抗生剤がかなり長期間, しかも不充分な使用量により使用され, このために入院治療をおこなつても, 種々の抗生剤に耐性をもつている起炎菌のために, 治療に困難を来たすこともまれではなくなつている。特に最近, 広く用いられている合成ペニシリン剤, セファロスポリン剤に耐性をもつているβ-Lactamase産生菌の存在が指摘され, 治療上の大きな問題となつて来ている。 我々は最近, β-Lactamase抵抗性をもつ新合成Cephalosporin剤, Cefoperazone (CPZ) 1) の試用をおこなう機会を得た。急性胆嚢炎患者は, 10例であつたが, このうち6例に症状の軽快後に手術をおこない, この手術中にCPZ19を静注し, 血中濃度, A, B胆汁内濃度, 胆嚢壁内濃度を測定した。この組織内濃度と臨床効果の関係を検索し, 多少の興味ある所見を得たので報告する。 | 
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| ISSN: | 0368-2781 2186-5477  | 
| DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.33.1294 |