小児救急医療体制の現状と将来 再構築は可能か?
「はじめに」夜間や休日に医療機関を受診する子どもの7割以上が発熱を主訴とした軽症例であり, 6歳以下の乳幼児がほとんどである1). 小児救急外来を訪れる患児の主訴としては, 発熱, 咳嗽, 喘鳴, 腹痛, 下痢, 嘔吐, けいれんが多いが, 事故(外傷, 誤嚥, 溺水など)も増加している. 一方, 小児の救急疾患として多いのは, 小児科では急性上気道炎が最も多く, 気管支喘息, 急性胃腸炎, 熱性けいれん, てんかんなどであり, 小児科以外では転落, 打撲, 転倒, 交通事故, 熱傷の順に多い2). 入院では上記の疾患が重症化したものの他, 早産児や新生児仮死, 肺炎, 川崎病, 紫斑病, 急...
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Published in | 小児口腔外科 Vol. 16; no. 1; pp. 1 - 7 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児口腔外科学会
25.06.2006
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Subjects | |
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ISSN | 0917-5261 1884-6661 |
DOI | 10.11265/poms1991.16.1 |
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Summary: | 「はじめに」夜間や休日に医療機関を受診する子どもの7割以上が発熱を主訴とした軽症例であり, 6歳以下の乳幼児がほとんどである1). 小児救急外来を訪れる患児の主訴としては, 発熱, 咳嗽, 喘鳴, 腹痛, 下痢, 嘔吐, けいれんが多いが, 事故(外傷, 誤嚥, 溺水など)も増加している. 一方, 小児の救急疾患として多いのは, 小児科では急性上気道炎が最も多く, 気管支喘息, 急性胃腸炎, 熱性けいれん, てんかんなどであり, 小児科以外では転落, 打撲, 転倒, 交通事故, 熱傷の順に多い2). 入院では上記の疾患が重症化したものの他, 早産児や新生児仮死, 肺炎, 川崎病, 紫斑病, 急性虫垂炎などである. 小児においては医学的な意味での救急患者, すなわち迅速な対応が必要な救命, 救急患者は少なく感冒や胃腸炎などの軽症例がほとんどである. しかし, このなかに真の救急患者や重症例がまぎれ込んでおり, 初期の対応が子どもの予後を大きく左右することがある. まさにこのことが小児救急の特徴であり, 成人救急とは異なり, 初期, 二次, 三次救急と明確に分けることができない. |
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ISSN: | 0917-5261 1884-6661 |
DOI: | 10.11265/poms1991.16.1 |