遺伝性非ポリポーシス大腸癌の臨床と遺伝子検査
遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は家系内に大腸癌や子宮体癌などが集積する常染色体優性の遺伝性腫瘍疾患であり, 原因遺伝子としていくっかのミスマッチ修復遺伝子が同定された. 本疾患は臨床的にはAmsterdam criteriaで定義され, 若年発症, 近位側結腸に好発, 高頻度の大腸多発癌および他臓器重複癌というのが臨床的特徴である. 遺伝子学的にはミスマッチ修復遺伝子の胚細胞遺伝子変異が認められる. また, 腫瘍のマイクロサテライト不安定性が高頻度に認められるのも遺伝子学的な特徴である. 胚細胞遺伝子変異の有無を検査する遺伝子診断は研究的側面が強く, 倫理的配慮が十分になされるべきで...
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Published in | 医療 Vol. 57; no. 6; pp. 385 - 389 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.06.2003
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.57.385 |
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Summary: | 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)は家系内に大腸癌や子宮体癌などが集積する常染色体優性の遺伝性腫瘍疾患であり, 原因遺伝子としていくっかのミスマッチ修復遺伝子が同定された. 本疾患は臨床的にはAmsterdam criteriaで定義され, 若年発症, 近位側結腸に好発, 高頻度の大腸多発癌および他臓器重複癌というのが臨床的特徴である. 遺伝子学的にはミスマッチ修復遺伝子の胚細胞遺伝子変異が認められる. また, 腫瘍のマイクロサテライト不安定性が高頻度に認められるのも遺伝子学的な特徴である. 胚細胞遺伝子変異の有無を検査する遺伝子診断は研究的側面が強く, 倫理的配慮が十分になされるべきである. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.57.385 |