閉塞性黄疸減黄処置後減黄率に及ぼす漢方製剤茵〓蕎湯の効果
胆道ドレナージを行った閉塞性黄疸24症例を対象として,減黄処置後の減黄効果に及ぼす漢方製剤茵〓蕎湯投与の影響を解析し,その有用性を検討した.胆道ドレナージ後,対照群であるドレナージ単独群とドレナージ・茵〓蕎湯併用群(以下,茵〓蕎湯併用群)に無作為割り付けを行い,後者では4週間または術前まで茵〓蕎湯1日7.5gを内服した.肝機能や自覚症状の推移を観察し,両群間で比較検討した.登録症例は,ドレナージ単独群13例,茵〓蕎湯併用群11例で,後者の服薬不良例1例を不適格例とした.原疾患など両群の背景因子に有意差を認めなかった. 減黄効率を示す減黄率b値は,ドレナージ単独群より茵〓蕎湯併用群が有意(p&l...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 10; pp. 2495 - 2500 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
1998
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.59.2495 |
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| Summary: | 胆道ドレナージを行った閉塞性黄疸24症例を対象として,減黄処置後の減黄効果に及ぼす漢方製剤茵〓蕎湯投与の影響を解析し,その有用性を検討した.胆道ドレナージ後,対照群であるドレナージ単独群とドレナージ・茵〓蕎湯併用群(以下,茵〓蕎湯併用群)に無作為割り付けを行い,後者では4週間または術前まで茵〓蕎湯1日7.5gを内服した.肝機能や自覚症状の推移を観察し,両群間で比較検討した.登録症例は,ドレナージ単独群13例,茵〓蕎湯併用群11例で,後者の服薬不良例1例を不適格例とした.原疾患など両群の背景因子に有意差を認めなかった. 減黄効率を示す減黄率b値は,ドレナージ単独群より茵〓蕎湯併用群が有意(p<0.05)に小さく,減黄率が良好であった.従って,茵〓蕎湯投与により,ドレナージ単独に比べて減黄期間を短縮し,術後肝障害などのリスクを軽減する可能性が示唆された.また,茵〓蕎湯併用群では,食欲不振,全身倦怠感などの自覚症状改善効果がみられた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.59.2495 |