大腿義足吸着式ソケットに関する生体力学的研究 特に懸垂力および断端との適合性について

• Published in: リハビリテーション医学 Vol. 22; no. 3; pp. 131 - 141
• Main Author: 狩山, 憲二
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 社団法人 日本リハビリテーション医学会 01.05.1985; 日本リハビリテーション医学会
• Subjects: ソケット内圧; 大腿義足吸着式ソケット
• ISSN: 0034-351X; 1880-778X
• DOI: 10.2490/jjrm1963.22.131

愛媛県下における大腿切断者の実態調査の結果,吸着式ソケットは断端のわずかな形状変化により適合不良を起こしやすいことを認めた. 吸着式ソケットに対してX線学的観察および内圧測定を行い,適合性に関して検討した.X線学的観察ではソケット内での断端の移動を認め,この移動が不適合をもたらす要因と考えられた.内圧測定では,陰圧はソケット底部に遊脚相に一致し働き,側圧は陰圧と同期し,遊脚相で最低値をとり,義足懸垂の主体は陰圧による吸着力と推察された. 以上のソケットの陰圧による吸着力と断端の形状変化に着目し,大腿義足ソヶヅトに関しソフトインサートを試作し,良好な適合性が得られたので併せて報告する.