甲状腺癌の放射性ヨウ素内用療法におけるRI治療病室稼働状況の実態調査報告 (第5報)

「はじめに」日本核医学会分科会腫瘍・免疫核医学研究会では, 甲状腺RI治療委員会を設けて適正使用ガイドラインの作成等を行い, 非密封放射性同位元素I-131による内用療法 (以下, RI内用療法) の普及や安全管理のための環境整備を行ってきた. その一環として, 甲状腺癌のRI内用療法に関する実態調査を行い報告してきた. 前回の調査で, RI内用療法を必要とする甲状腺癌患者は依然増加傾向であるにもかかわらず, 放射線治療病室 (以下, RI治療病室) の稼働病床数はまだまだ不足していることを報告した. RI内用療法実施までの待機期間も多少の改善が見られたものの3.6カ月と長く, 当該治療を待つ...

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Published in核医学 Vol. 56; no. 1; pp. 107 - 116
Main Authors 日本核医学会分科会 腫瘍免疫核医学研究会 甲状腺RI治療委員会, 阿部光一郎, 岡本高宏, 金谷和子, 伊藤公一, 渋谷洋, 内山眞幸, 絹谷清剛, 小泉潔, 横山邦彦, 東達也, 戸川貴史, 久山順平, 伊藤充, 吉村真奈, 内田健二, 池渕秀治, 柳田幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2019
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ISSN0022-7854

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Summary:「はじめに」日本核医学会分科会腫瘍・免疫核医学研究会では, 甲状腺RI治療委員会を設けて適正使用ガイドラインの作成等を行い, 非密封放射性同位元素I-131による内用療法 (以下, RI内用療法) の普及や安全管理のための環境整備を行ってきた. その一環として, 甲状腺癌のRI内用療法に関する実態調査を行い報告してきた. 前回の調査で, RI内用療法を必要とする甲状腺癌患者は依然増加傾向であるにもかかわらず, 放射線治療病室 (以下, RI治療病室) の稼働病床数はまだまだ不足していることを報告した. RI内用療法実施までの待機期間も多少の改善が見られたものの3.6カ月と長く, 当該治療を待つ患者のためにも全国的な規模でRI治療病室の増床を目的とした政策が講じられることが喫緊の課題であると結論づけた. 治療方針決定からRI内用療法までの待機期間の長期化が引き起こす患者の予後への影響も指摘されており, これ以上の長期化はもはや看過できない状況である.
ISSN:0022-7854