保護者が捉えた特別支援学級担任の支援の現状と課題 小・中学校比較

本研究では、特別支援学級に在籍する障害児の保護者が捉えた特別支援学級担任が実施する支援の程度(実施度)、重要と考える支援の程度(重要度)を小・中学校比較より把握し、パートナーシップ構築に向け特別支援学級担任に求められる資質・能力の明示を目的とした。Summers et al.(2005)を参考に、①教師が障害児の指導・支援の専門性を有し、教師と保護者が、②一緒に教育する姿勢をもって適切なコミュニケーションを図りながら、③連携・協働ができている時に、障害児の保護者と教師のパートナーシップが構築されていると定義した。対象は、特別支援学級親の会会員377名であった。調査期間は、2020年12月から2...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in自閉症スペクトラム研究 Vol. 21; no. 1; pp. 45 - 55
Main Authors 岡本, 邦広, 諏訪, 英広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会 30.09.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1347-5932
2434-477X
DOI10.32220/japanacademyofas.21.1_45

Cover

More Information
Summary:本研究では、特別支援学級に在籍する障害児の保護者が捉えた特別支援学級担任が実施する支援の程度(実施度)、重要と考える支援の程度(重要度)を小・中学校比較より把握し、パートナーシップ構築に向け特別支援学級担任に求められる資質・能力の明示を目的とした。Summers et al.(2005)を参考に、①教師が障害児の指導・支援の専門性を有し、教師と保護者が、②一緒に教育する姿勢をもって適切なコミュニケーションを図りながら、③連携・協働ができている時に、障害児の保護者と教師のパートナーシップが構築されていると定義した。対象は、特別支援学級親の会会員377名であった。調査期間は、2020年12月から2カ月間とした。質問紙は古川・宮寺(2015)等を基に作成した。分析には、統計ソフトSPSS Statistics 27を用いた。分析数は小学校128、中学校38(有効回答率44.0%)であった。結果、小学生の保護者は中学生の保護者に比べ、特別支援学級担任の障害児に身に付いた力等の把握の実施度を評価した。小学生の保護者は中学生の保護者より特別支援学級担任からコミュニケーションの支援の実施度および重要度、さらに子供の目標等を共有する実施度を評価したが、小・中学生の保護者ともに家族自体への支援の実施度を低く評価した。結果から特別支援学級担任に求められる資質・能力は、①障害児の指導の専門性(小・中)、②一緒に教育する姿勢での適切なコミュニケーション(中)、③校内外連携の充実(小・中)、④障害児の目標等の共有(中)、⑤家族自体への支援の充実(小・中)が指摘できた。
ISSN:1347-5932
2434-477X
DOI:10.32220/japanacademyofas.21.1_45