福岡県西方沖地震での斜面崩壊

2005年3月20日福岡西方沖地震 (M7) により, 博多湾に面する島嶼や半島の斜面において斜面崩壊が発生した. この報告では, 土木学会調査団と地盤工学会調査団との合同調査資料を基に, 震源に近い玄界島, 志賀島および糸島半島の斜面崩壊の実態と崩壊形態についてとりまとめた. 玄界島では, 花崗閃緑岩の風化残積土であるまさ土の表層崩壊と小・中学校の盛土されたグラウンドの沈下や開口クラックを伴った盛土崩壊が主な形態である. 志賀島では周回道路沿いに西側斜面ではまさ土の表層崩壊が, 東側斜面では規模の大きな岩盤崩壊が認められた. 糸島半島でも小規模なまさ土の表層崩壊, 林道等の盛土部のすべりおよ...

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Published in地震工学論文集 Vol. 29; pp. 1473 - 1484
Main Authors 佐藤, 研一, 矢ケ部, 秀美
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 2007
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ISSN1884-846X
DOI10.11532/proee2005a.29.1473

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Summary:2005年3月20日福岡西方沖地震 (M7) により, 博多湾に面する島嶼や半島の斜面において斜面崩壊が発生した. この報告では, 土木学会調査団と地盤工学会調査団との合同調査資料を基に, 震源に近い玄界島, 志賀島および糸島半島の斜面崩壊の実態と崩壊形態についてとりまとめた. 玄界島では, 花崗閃緑岩の風化残積土であるまさ土の表層崩壊と小・中学校の盛土されたグラウンドの沈下や開口クラックを伴った盛土崩壊が主な形態である. 志賀島では周回道路沿いに西側斜面ではまさ土の表層崩壊が, 東側斜面では規模の大きな岩盤崩壊が認められた. 糸島半島でも小規模なまさ土の表層崩壊, 林道等の盛土部のすべりおよび岩露出部の小規模な落石が観察された. いずれも豪雨時の崩壊とは異なる崩壊形態を持っている.
ISSN:1884-846X
DOI:10.11532/proee2005a.29.1473