頭蓋内椎骨解離性動脈瘤出血例の治療成績

くも膜下出血で発症した解離性椎骨脳底動脈瘤は近年報告例が増加しているが, その自然経過, 長期的転帰に関してはlarge seriesがなく少数例の報告にとどまり不明な点が多い1)4)5)9)13)15)17)21). この疾患は急性期に再出血する率が高く, 予後を悪化させる因子の1つである. これを防ぐため, 従来直達術が行われてきており, 近年では血管内手術の有効性が多く報告されている6)16)18). しかし, 外科的治療の効果, 長期的転帰に関してはいまだ一致した意見が得られていないのが現状である. 今回, われわれは当施設で経験した10例のくも膜下出血で発症した破裂解離性椎骨脳底動脈...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 30; no. 6; pp. 456 - 460
Main Authors 鈴木, 範行, 橘田, 要一, 杉山, 貢, 張, 家正, 綾部, 純一, 高梨, 吉裕, 山本, 勇夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.11.2002
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.30.456

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Summary:くも膜下出血で発症した解離性椎骨脳底動脈瘤は近年報告例が増加しているが, その自然経過, 長期的転帰に関してはlarge seriesがなく少数例の報告にとどまり不明な点が多い1)4)5)9)13)15)17)21). この疾患は急性期に再出血する率が高く, 予後を悪化させる因子の1つである. これを防ぐため, 従来直達術が行われてきており, 近年では血管内手術の有効性が多く報告されている6)16)18). しかし, 外科的治療の効果, 長期的転帰に関してはいまだ一致した意見が得られていないのが現状である. 今回, われわれは当施設で経験した10例のくも膜下出血で発症した破裂解離性椎骨脳底動脈瘤につき, 脳血管撮影所見とその経時的変化, 治療方法, 長期的成績に関して分析し, 文献的考察を加え治療方針について検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.30.456