循環器病医療の基盤整備

着実に進行する高齢化と生活習慣病の蔓延を前にして, 「循環器病克服への10年戦略」を策定した. いまや循環器系疾患が個人の問題であると同時に医療のあり方を左右する大きな要因となっている. 循環器疾患はすべての年齢階級にわたっており, 世代ごとに異なる疾病構造を呈している. 診療は高度の専門医療から総合的診療に至るまで, ダイナミックレンジの広い知識と技術を必要とする. 患者数からみると65歳以上が他疾患に比べて多く, 75%近くの医療資源がそこに注がれている. また循環器専門医以外の医師の関与の高い分野である. したがようていって, 高度医療と慢性疾患管理の両面について基盤整備が必要となる....

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Published in医療 Vol. 62; no. 3; pp. 161 - 169
Main Author 友池, 仁暢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.03.2008
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.62.161

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Summary:着実に進行する高齢化と生活習慣病の蔓延を前にして, 「循環器病克服への10年戦略」を策定した. いまや循環器系疾患が個人の問題であると同時に医療のあり方を左右する大きな要因となっている. 循環器疾患はすべての年齢階級にわたっており, 世代ごとに異なる疾病構造を呈している. 診療は高度の専門医療から総合的診療に至るまで, ダイナミックレンジの広い知識と技術を必要とする. 患者数からみると65歳以上が他疾患に比べて多く, 75%近くの医療資源がそこに注がれている. また循環器専門医以外の医師の関与の高い分野である. したがようていって, 高度医療と慢性疾患管理の両面について基盤整備が必要となる. 要諦は人材育成と医療の質に軸足を置いた整備であり, ナショナルセンターの役割が期待される.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.161