特発性血小板減少性紫斑病に合併した破裂前大脳動脈瘤の1例

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に合併した破裂動脈瘤の報告は非常に少なく, さらにその手術報告はまれである9)10)11)13). しかし破裂動脈瘤は生命に関わるものであり, ITPの病態を念頭に入れた適切な対応が必要とされる. 今回われわれはγグロブリン大量療法とステロイド投与により十分な血小板数を確保し手術を安全に施行することができたので, 周術期の管理を中心に文献的考察を加え報告する. <症例>59歳, 女性. 主訴:意識消失, 嘔吐. 既往歴:37歳時に子宮筋腫摘出術を施行された. 手術前に血小板数が2万/μl前後と低下しており, 血小板輸血を受けた. 54歳時, 血小板...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 29; no. 6; pp. 441 - 444
Main Authors 永廣, 信治, 八木, 謙次, 阿川, 昌仁, 津田, 敏雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.11.2001
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.29.441

Cover

More Information
Summary:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に合併した破裂動脈瘤の報告は非常に少なく, さらにその手術報告はまれである9)10)11)13). しかし破裂動脈瘤は生命に関わるものであり, ITPの病態を念頭に入れた適切な対応が必要とされる. 今回われわれはγグロブリン大量療法とステロイド投与により十分な血小板数を確保し手術を安全に施行することができたので, 周術期の管理を中心に文献的考察を加え報告する. <症例>59歳, 女性. 主訴:意識消失, 嘔吐. 既往歴:37歳時に子宮筋腫摘出術を施行された. 手術前に血小板数が2万/μl前後と低下しており, 血小板輸血を受けた. 54歳時, 血小板(7000/μl)の低下がみられITPと診断された. その頃よりprednisolone内服を開始し, 20mgにて維持療法中であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.29.441