バイパス術を中心とした顕微鏡手術トレーニング

「はじめに」日本における脳神経外科医は, 諸外国と比し, 神経疾患に対して手術以外の治療にも大きく関わっている. また, 外科的治療オプションに血管内手術や, 定位放射線治療も加わり, 1人当たりの脳神経外科医が実際に経験する手術件数は減少傾向に向かっている可能性がある. さらに, 国民の治療に対する権利意識の向上から, 手術室における実際の治療の場面で, 若手の脳神経外科医が顕微鏡手術をトレーニングする機会も過去に比し減少する可能性が危惧される. そのような中で, 手術技量のレベルを昔に比べて上げるためには優れた手術書で学ぶことはもちろんのこと, トレーニング法も進歩する必要があることは自明...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 38; no. 3; pp. 153 - 157
Main Authors 鄭, 倫成, 四宮, 一剛, 杉本, 正, 浦西, 龍之介, 福田, 孝憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.05.2010
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.38.153

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Summary:「はじめに」日本における脳神経外科医は, 諸外国と比し, 神経疾患に対して手術以外の治療にも大きく関わっている. また, 外科的治療オプションに血管内手術や, 定位放射線治療も加わり, 1人当たりの脳神経外科医が実際に経験する手術件数は減少傾向に向かっている可能性がある. さらに, 国民の治療に対する権利意識の向上から, 手術室における実際の治療の場面で, 若手の脳神経外科医が顕微鏡手術をトレーニングする機会も過去に比し減少する可能性が危惧される. そのような中で, 手術技量のレベルを昔に比べて上げるためには優れた手術書で学ぶことはもちろんのこと, トレーニング法も進歩する必要があることは自明の理であろう. 昨今手術教育の重要性が強調されており, 血管吻合の練習としては, 従来行われていたラットを用いた頚部血管の吻合から, 豚・鶏の血管, あるいはさまざまな人工血管を用いた練習法が報告されている1)3).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.38.153