未破裂脳動脈瘤術後の虚血性合併症

手術を行った未破裂脳動脈瘤(unruptured intracranial aneurysms, 以下UIAsと略す)症例のうち, 手術自体には特に問題がないと思われたにもかかわらず, 術後に虚血性合併症が生じた症例を経験したので, その原因を検討し予防法について考察する. 対象方法 1995年12月1日の開院以来125例のUIAsを経験した. 原則として, 最大径3mm以上, 硬膜内, 70歳未満の嚢状動脈瘤の症例を手術対象としてきた. その結果informed consentに至った97例が開頭術, 1例が塞栓術となり, 残り27例が経過観察となった. 結果 手術例97例中14例/14%(...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 31; no. 2; pp. 104 - 110
Main Authors 小宮山, 雅樹, 石黒, 友也, 山中, 一浩, 松阪, 康弘, 安井, 敏裕, 森川, 俊枝, 岩井, 謙育
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.03.2003
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.31.104

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Summary:手術を行った未破裂脳動脈瘤(unruptured intracranial aneurysms, 以下UIAsと略す)症例のうち, 手術自体には特に問題がないと思われたにもかかわらず, 術後に虚血性合併症が生じた症例を経験したので, その原因を検討し予防法について考察する. 対象方法 1995年12月1日の開院以来125例のUIAsを経験した. 原則として, 最大径3mm以上, 硬膜内, 70歳未満の嚢状動脈瘤の症例を手術対象としてきた. その結果informed consentに至った97例が開頭術, 1例が塞栓術となり, 残り27例が経過観察となった. 結果 手術例97例中14例/14%(一過性:7例/7%, 永続性:7例/7%)に術後合併症が生じた. 内訳は静脈損傷によるもの6例, 大型動脈瘤の場合のmanipulationによる脳神経障害3例, 術中破裂によるもの1例, 虚血によるもの4例であった. 虚血による症状を呈した症例の内訳は, 新たな梗塞の発症2例, 既存梗塞の悪化1例, 症候性脳血管攣縮によるもの1例であった. それぞれについて提示する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.31.104