同時性胃癌および胆嚢癌を合併した遺伝性非ポリポーシス大腸癌の1例
同時性2重複癌(早期胃癌,胆嚢癌)を合併した遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary non-polyposis colorectal cancer; HNPCC)の1例を経験したので報告する.症例は65歳,女性. 41歳時,左乳癌で手術施行.家族歴で姉と妹に大腸癌を認めた.今回,上腹部痛を主訴に近医を受診.胆石症の診断で手術目的で当院紹介入院となった.胆石症の術前精査の結果,胃前庭部に早期胃癌,横行結腸に3型大腸癌を認めた.まず早期胃癌に対してEMRを施行し,中分化腺癌と診断された.その後,開腹手術にて他の悪性病変は認めず,右半結腸切除術および胆嚢摘出術を施行した.病理組織学的に横行...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 9; pp. 2309 - 2313 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2002
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.63.2309 |
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Summary: | 同時性2重複癌(早期胃癌,胆嚢癌)を合併した遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary non-polyposis colorectal cancer; HNPCC)の1例を経験したので報告する.症例は65歳,女性. 41歳時,左乳癌で手術施行.家族歴で姉と妹に大腸癌を認めた.今回,上腹部痛を主訴に近医を受診.胆石症の診断で手術目的で当院紹介入院となった.胆石症の術前精査の結果,胃前庭部に早期胃癌,横行結腸に3型大腸癌を認めた.まず早期胃癌に対してEMRを施行し,中分化腺癌と診断された.その後,開腹手術にて他の悪性病変は認めず,右半結腸切除術および胆嚢摘出術を施行した.病理組織学的に横行結腸病変は中分化腺癌と診断され, 2群リンパ節に転移を認めた.胆嚢病変は,底部に限局する高分化管状腺癌を認めた.以上より自験例は,同時性2重複癌を合併したHNPCC (Lynch II型)と診断した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.63.2309 |