Clip・Coil複合チームによる未破裂脳動脈瘤の治療と合併症 克服すべきは何か

『はじめに』 未破裂脳動脈瘤(uAN)の治療方針決定はいまだに困難である. その理由としてrisk benefit analysisの基本となる動脈瘤の破裂率, 予後・合併症の評価法の基準がいまだ定まらないことにある. uANの一般的な自然歴については知見が蓄積されてきたが, 個々の瘤に関して破裂率を予測することはきわめて困難で, 治療リスクも受療者・治療施設ごとにばらつくこともあげられる. 予後評価も, これまで神経機能そのものの評価に限られており, 近年になりやっとQOLの評価を併せて行うようになってきた. 医師側からもuAN根治術に伴う有害事象の発生についての報告はわずかである. 一方治...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 3; pp. 182 - 187
Main Authors 米田, 浩, 藤井, 正美, 貞廣, 浩和, 白尾, 敏之, 鈴木, 倫保, 五島, 久晴, 梶原, 浩司, 石原, 秀行, 井本, 浩哉, 加藤, 祥一, 小泉, 博靖, 野村, 貞宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.05.2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.182

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Summary:『はじめに』 未破裂脳動脈瘤(uAN)の治療方針決定はいまだに困難である. その理由としてrisk benefit analysisの基本となる動脈瘤の破裂率, 予後・合併症の評価法の基準がいまだ定まらないことにある. uANの一般的な自然歴については知見が蓄積されてきたが, 個々の瘤に関して破裂率を予測することはきわめて困難で, 治療リスクも受療者・治療施設ごとにばらつくこともあげられる. 予後評価も, これまで神経機能そのものの評価に限られており, 近年になりやっとQOLの評価を併せて行うようになってきた. 医師側からもuAN根治術に伴う有害事象の発生についての報告はわずかである. 一方治療法選択に関しては, 過去にはcoil塞栓術(以下coil)の合併症・根治性に疑問を呈する報告もあったが, 最近では周術期mortality/morbidityのみならず1)費用においても開頭クリッピング術(以下clip)に勝っているという報告も出てきた8).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.182