血清CA 19-9高値を示した後腹膜高分化型嚢胞腺癌の1例

症例は46歳,女性.人間ドックで血清CA 19-9値が396U/mlと高値を呈したために,精査目的にて当院を受診した.腹部造影CT検査および超音波検査で,右腎下方に55×46mmの嚢胞性腫瘤あり,嚢胞壁の不整な肥厚も認められたため,後腹膜嚢胞の診断で手術を施行した.摘出標本は茶色の内容液をもった嚢胞で,内腔にポリープ状の隆起を認めた.病理組織学的検討は,高分化型腺癌で,免疫組織学的検討で嚢胞壁のCA 19-9が陽性であった. CA 19-9産生の後腹膜嚢胞は非常に稀で,病理組織学的に高分化型腺癌の診断を得たものは,本症例が初めてであり,以下若干の文献的考察を加えて報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 7; pp. 1938 - 1941
Main Authors 渡瀬, 誠, 門脇, 隆敏, 山田, 毅, 丹羽, 英記, 森, 琢児, 大橋, 一朗, 小川, 嘉誉, 大西, 俊造, 刀山, 五郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.1938

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Summary:症例は46歳,女性.人間ドックで血清CA 19-9値が396U/mlと高値を呈したために,精査目的にて当院を受診した.腹部造影CT検査および超音波検査で,右腎下方に55×46mmの嚢胞性腫瘤あり,嚢胞壁の不整な肥厚も認められたため,後腹膜嚢胞の診断で手術を施行した.摘出標本は茶色の内容液をもった嚢胞で,内腔にポリープ状の隆起を認めた.病理組織学的検討は,高分化型腺癌で,免疫組織学的検討で嚢胞壁のCA 19-9が陽性であった. CA 19-9産生の後腹膜嚢胞は非常に稀で,病理組織学的に高分化型腺癌の診断を得たものは,本症例が初めてであり,以下若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.1938