慢性閉塞性肺疾患患者の感染予防に関する認識と行動 急性増悪との関連

COPDの急性増悪の多くは上気道感染が原因となっていることから,COPD患者の感染予防行動と急性増悪の関連,およびそれらに影響する要因を明らかにすることを目的に研究を行った。2011年に関西圏の2施設に通院するCOPD患者77名を対象に質問紙と診療記録よりデータ収集を行った。その結果,感染予防教育を受けた経験のある患者は全体の約4分の1であり,教育機会の少なさが懸念された。感染予防行動に影響する要因には独居と感染予防の態度が確認され,独居は感染予防行動の阻害因子であった。良好な態度は行動を促進する因子で,態度を高めることが感染予防行動を導くと考えられた。急性増悪に影響する要因には年齢,ADL,...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 37; no. 2; pp. 2_13 - 2_23
Main Authors 秋原, 志穗, 山本, かおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.06.2014
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20140207002

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Summary:COPDの急性増悪の多くは上気道感染が原因となっていることから,COPD患者の感染予防行動と急性増悪の関連,およびそれらに影響する要因を明らかにすることを目的に研究を行った。2011年に関西圏の2施設に通院するCOPD患者77名を対象に質問紙と診療記録よりデータ収集を行った。その結果,感染予防教育を受けた経験のある患者は全体の約4分の1であり,教育機会の少なさが懸念された。感染予防行動に影響する要因には独居と感染予防の態度が確認され,独居は感染予防行動の阻害因子であった。良好な態度は行動を促進する因子で,態度を高めることが感染予防行動を導くと考えられた。急性増悪に影響する要因には年齢,ADL,手洗いが確認された。手洗いをしている人ほど増悪リスクが低く,手洗い実践が増悪予防につながる可能性が示唆された。COPD患者に対して,手洗いを含めた感染予防教育のより一層の充実と実践の推進が求められる。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20140207002