臨床分離薬剤耐性緑膿菌における各種抗菌薬の併用効果の検討

2004年5月から2005年5月までの1年間に関東甲信越の大学病院やその他の病院から分離された薬剤耐性緑膿菌70株を用いて, 各種抗菌薬の抗菌力, メタロβ-ラクタマーゼの産生, IMP-1遺伝子の有無, および各種抗菌薬の試験管内併用効果を検討した。臨床検体では呼吸器系検体19検体, 尿路系検体29検体, 創部および膿検体9検体などが多かった。微量液体希釈法を用いた各種抗菌薬に対する薬剤感受性は多くの抗菌薬に対して高度耐性を示しておりそれぞれの薬剤のMIC90はbiapenem (BIPM) が256μg/mL, meropenem (MEPM) が5i2μg/mL, tazobactam/...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 59; no. 1; pp. 11 - 20
Main Authors 高山, 貞男, 渡邊, 正治, 山口, 敏行, 渋谷, 俊介, 前暗, 繁文, 川上, 小夜子, 小林, 清子, 佐々木, 一雅, 長沢, 光章, 鈴木, 憲康, 内田, 幹, 岡部, 忠志, 橋北, 義一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.02.2006
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.59.11

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Summary:2004年5月から2005年5月までの1年間に関東甲信越の大学病院やその他の病院から分離された薬剤耐性緑膿菌70株を用いて, 各種抗菌薬の抗菌力, メタロβ-ラクタマーゼの産生, IMP-1遺伝子の有無, および各種抗菌薬の試験管内併用効果を検討した。臨床検体では呼吸器系検体19検体, 尿路系検体29検体, 創部および膿検体9検体などが多かった。微量液体希釈法を用いた各種抗菌薬に対する薬剤感受性は多くの抗菌薬に対して高度耐性を示しておりそれぞれの薬剤のMIC90はbiapenem (BIPM) が256μg/mL, meropenem (MEPM) が5i2μg/mL, tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) が256μg/mL, sulbactam/cefbperazone (SBT/CPZ) が512μg/mL, cefepime (CFPM) が512μg/mL, ciprofloxacin (CPFX) が64μg/mL, pazufloxacin (PZFX) が128μg/mL, amikacin (AMK) が128μg/mL, aztreonam (AZT) が128μg/mLであった。メタロβ-ラクタマーゼの産生は50株 (71%) に認められ, またメタロβ-ラクタマーゼ産生50株すべてにPCR法にてIMP-1型遺伝子の存在が確認された。薬剤耐性緑膿菌に対する各種抗菌薬の併用効果の検討では, メタロβ-ラクタマーゼ非産生株20株の中で, VITEKにより薬剤感受性を測定し, AMKのMICが16μ9/mL以下およびCPFXのMICが0・5μ9/mL以下の8株を除く62株においてchecker-board法によりminimum FIC indexを算出し, 試験管内の併用効果を検討した。その結果, AMK+AZTの組み合わせで相乗効果を示す株が15/59株 (25.4%) に認められ, その他の組み合わせとしてはTAZ/PIPC+AMK, SBTICPZ+AZT, CFPM+AMKなどの組み合わせにおいて相乗または相加効果を認める菌株が多かった。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.59.11