吹付けコンクリート斜面の維持補修費評価に関する研究

従来より, 高速道路に隣接する切取り斜面の対策工として吹付けコンクリートを用いた法面防護工が多くの斜面において適用されてきた. しかし, 供用後の時間経過と共に, 多くの原因により, 吹付けコンクリートの表面でのひび割れ, 表面のうき・はく離に加えて, 切取り斜面表面を覆う吹付けコンクリートが背面地山の一部を含めたすべり (せり出し) が確認されつつある. このため, 道路管理者は吹付けコンクリート斜面の性能を規定する基準や対策工の施工時期の判断基準を設定することが求められている. しかし, 吹付けコンクリートの暴露条件, 材料・施工条件および背面地質の条件が様々であるため, 現状ではの作成に...

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Published in建設マネジメント研究論文集 Vol. 13; pp. 301 - 314
Main Authors 松山, 裕幸, 大谷, 芳輝, 赤木, 舞, 大津, 宏康
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 2006
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ISSN1884-8311
DOI10.2208/procm.13.301

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Summary:従来より, 高速道路に隣接する切取り斜面の対策工として吹付けコンクリートを用いた法面防護工が多くの斜面において適用されてきた. しかし, 供用後の時間経過と共に, 多くの原因により, 吹付けコンクリートの表面でのひび割れ, 表面のうき・はく離に加えて, 切取り斜面表面を覆う吹付けコンクリートが背面地山の一部を含めたすべり (せり出し) が確認されつつある. このため, 道路管理者は吹付けコンクリート斜面の性能を規定する基準や対策工の施工時期の判断基準を設定することが求められている. しかし, 吹付けコンクリートの暴露条件, 材料・施工条件および背面地質の条件が様々であるため, 現状ではの作成に至っていない. このような観点から, 本研究では, 吹付けコンクリート工の劣化の内, 材料自体の劣化特性には直接言及せず, 背面地山の風化・劣化特性に着目する. 具体的には, 背面地山の風化・劣化に伴う強度低下過程について原位置で実施された速度検層結果に基づき分析を加える. また, その強度低下特性については, 非定常確率過程を用いてモデル化し, 信頼性工学に基づく維持補修費の評価方法を提案すると共に, この手法を原位置斜面に適用し, 維持補修費を判断指標とした対策工の施工時期に関する意思決定方法の適用性ついて検討を加える.
ISSN:1884-8311
DOI:10.2208/procm.13.301