カルバサイクリン誘導体CS-570の化学的安定性および血小板凝集抑制作用

体外循環時には血小板が活性化され, 微小血栓の形成による血栓症の惹起や, 血小板が消費されることによる止血機構の不全による出血などの危険がある。そのため体外循環時には血小板の機能を保護することは極めて重要なことである。PG I2は血小板凝集抑制作用が強く, 臨床上極めて有用な血小板保護剤である。しかしながらPG I2は化学的に不安定である欠点を有する。CS-570は化学的に極めて安定なカルバサイクリンの誘導体であり, in vitro, ex vivo共に強力な血小板凝集抑制効果を示す。本化合物は経口投与によっても有効性を示すことより, 体外循環時の抗凝血および血小板保護作用をはじめとして,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人工臓器 Vol. 13; no. 3; pp. 1231 - 1234
Main Authors 三宅, 茂樹, 森, 昌弘, 熊倉, 清次, 浅井, 史敏, 森田, 明, 伊藤, 福美, 長谷川, 主計, 小林, 晋作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1984
Online AccessGet full text
ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.13.1231

Cover

More Information
Summary:体外循環時には血小板が活性化され, 微小血栓の形成による血栓症の惹起や, 血小板が消費されることによる止血機構の不全による出血などの危険がある。そのため体外循環時には血小板の機能を保護することは極めて重要なことである。PG I2は血小板凝集抑制作用が強く, 臨床上極めて有用な血小板保護剤である。しかしながらPG I2は化学的に不安定である欠点を有する。CS-570は化学的に極めて安定なカルバサイクリンの誘導体であり, in vitro, ex vivo共に強力な血小板凝集抑制効果を示す。本化合物は経口投与によっても有効性を示すことより, 体外循環時の抗凝血および血小板保護作用をはじめとして, 各種の血栓症や末梢動脈閉塞症などにも, 有用性が期待される。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.13.1231