自然保護を問い直すゲーミングシミュレーション『Paint it Black』の試作と学習効果の検証
近年, 自然保護の必要性を主張するあまり, 自然とかかわりの深い生業の営みが否定されるという齟齬が生じている。このような問題に対し, 自然保護のあり方を問い直すための環境教育が必要である。通常は自然にとって有益と考えられている「自然保護」が, 実際には自然破壊を食い止めるだけの効果は無く, 「自然保護」をおこなっても「人間=強者, 自然=弱者」の関係は変化しない。このような人間と自然との間にあるコンフリクトを体験させ, 日常生活にはない視点から考えさせるツールが必要であると考えた。本研究ではこのことを目的としたゲーミングシミュレーション『Paint it Black』を開発し, 学習効果の検証...
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          | Published in | 環境システム研究論文集 Vol. 33; pp. 399 - 406 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English Japanese  | 
| Published | 
            公益社団法人 土木学会
    
        2005
     | 
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| ISSN | 1345-9597 1884-8125  | 
| DOI | 10.2208/proer.33.399 | 
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| Summary: | 近年, 自然保護の必要性を主張するあまり, 自然とかかわりの深い生業の営みが否定されるという齟齬が生じている。このような問題に対し, 自然保護のあり方を問い直すための環境教育が必要である。通常は自然にとって有益と考えられている「自然保護」が, 実際には自然破壊を食い止めるだけの効果は無く, 「自然保護」をおこなっても「人間=強者, 自然=弱者」の関係は変化しない。このような人間と自然との間にあるコンフリクトを体験させ, 日常生活にはない視点から考えさせるツールが必要であると考えた。本研究ではこのことを目的としたゲーミングシミュレーション『Paint it Black』を開発し, 学習効果の検証を行った。高校生・大学生へ対する実験の結果, 『Paint it Black』の体験により, 自然保護をめぐる4つの立場が立ち現れ, 相互の考え方について比較することで, なぜそのような立場がありうるのかという学習へ展開していくことが可能であることが示された。 | 
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| ISSN: | 1345-9597 1884-8125  | 
| DOI: | 10.2208/proer.33.399 |