尿管膀胱接合部先天異常と所属腎の機能と構造 特に腎形成異常発生との関係
尿管膀胱接合部異常を伴つた諸疾患について所属腎の機能と形態について検討した. 特に尿管下端の異常と腎形成異常との関連については尿管発生との関連で検討し, いわゆる尿管芽分岐異常説で腎形成異常を説明出来るか否かなどについて検討した. 単一性異所開口尿管では尿路内開口の4/14, 性路開口の13/13が無機能腎→全て形成異常腎. 前者は高度例多く後者は性差著明 (女≪男). 重複腎では全て尿路へ異所開口, 9/11が無機能腎→形成異常腎8. 単純性尿管瘤では1/23のみ無機能腎→組織未検, 異所性尿管瘤では10/14が無機能腎→形成異常腎9. 軽度例が多い. 非逆流性巨大尿管症では8/58が無機能...
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          | Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 74; no. 9; pp. 1493 - 1508 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本泌尿器科学会
    
        01.09.1983
     | 
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| ISSN | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI | 10.5980/jpnjurol1928.74.9_1493 | 
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| Summary: | 尿管膀胱接合部異常を伴つた諸疾患について所属腎の機能と形態について検討した. 特に尿管下端の異常と腎形成異常との関連については尿管発生との関連で検討し, いわゆる尿管芽分岐異常説で腎形成異常を説明出来るか否かなどについて検討した. 単一性異所開口尿管では尿路内開口の4/14, 性路開口の13/13が無機能腎→全て形成異常腎. 前者は高度例多く後者は性差著明 (女≪男). 重複腎では全て尿路へ異所開口, 9/11が無機能腎→形成異常腎8. 単純性尿管瘤では1/23のみ無機能腎→組織未検, 異所性尿管瘤では10/14が無機能腎→形成異常腎9. 軽度例が多い. 非逆流性巨大尿管症では8/58が無機能腎→軽度形成異常腎2, 所属尿管は特異な所見あり. 尿管末端部閉塞では2例共無機能・高度形成異常腎. 逆流性巨大尿管症では4/49が無機能腎→軽度形成異常腎3. 傍尿管口憩室では単一例2/23, 重複例上半腎2/5, 下半腎3/5が無機能腎→形成異常腎4, 腎欠損2. 下半腎が最も高度. 単一例・重複例, 瘤の有無. 異所性の方向を問わず異所開口尿管の大半は尿管芽分岐異常説で説明可能だが, 尿逆圧や尿管形成異常による修飾も否定出来ぬ. 非逆流性巨大尿管症では尿管の分化停止を起こした因子が同時に腎をも侵した可能性あり, 尿管末端部閉塞では尿逆圧説を認めざるをえないと考えた. | 
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| ISSN: | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.74.9_1493 |