CVMとTCMによる干潟の経済価値の計測

干潟のような生態系を育む場所が地球温暖化によって破壊され, そこに生息する動植物たちが急速な勢いで絶滅の危機に追いやられている. 本研究では, 地球温暖化対策としての干潟保全に関する費用対効果を検討する際に必要となる貨幣評価原単位の提供を目的として, CVMおよびTCMにより都道府県別の干潟の経済価値を計測した. その結果, CVMによる干潟の環境経済価値は, 一人あたりでは1, 599円/年/人 (39, 976円/人), 日本全国では2, 043億円/年 (51, 066億円) となった. また, TCMによる干潟 (潮干狩り) のレクリエーション価値は, 一回あたりでは2, 099円/回...

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Published in環境システム研究論文集 Vol. 36; pp. 333 - 341
Main Authors 大野, 栄治, 佐尾, 博志
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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ISSN1345-9597
1884-8125
DOI10.2208/proer.36.333

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Summary:干潟のような生態系を育む場所が地球温暖化によって破壊され, そこに生息する動植物たちが急速な勢いで絶滅の危機に追いやられている. 本研究では, 地球温暖化対策としての干潟保全に関する費用対効果を検討する際に必要となる貨幣評価原単位の提供を目的として, CVMおよびTCMにより都道府県別の干潟の経済価値を計測した. その結果, CVMによる干潟の環境経済価値は, 一人あたりでは1, 599円/年/人 (39, 976円/人), 日本全国では2, 043億円/年 (51, 066億円) となった. また, TCMによる干潟 (潮干狩り) のレクリエーション価値は, 一回あたりでは2, 099円/回, 日本全国では47.0億円/年 (1, 175億円) となった. そして, 干潟の貨幣評価原単位は全国平均で10, 163円/m2となった.
ISSN:1345-9597
1884-8125
DOI:10.2208/proer.36.333