ジャカルタにおける都市拡大と旧市街地の昇温との関係について

インドネシア・ジャカルタの都市域の拡大と旧市街地の気温上昇との関係をメソスケール気象モデルを用いることにより調べた。解析対象期間は乾期の日中とし、ジャカルタ市内にある空港で測定されている気温・風速のデータを使用したモデル性能の検証後、1970年代の都市域 (旧市街地) と2000年の人口密度分布から推定した都市域をもとに計算を行い比較した。結果、1) 旧市街地で収束する流れにより旧市街地周辺から発生した熱の輸送で日中の平均気温が1970年代と比べ約0.6℃ 、最高気温で約0.9℃ 上昇した。2) 冷気 (海風) の影響が少ない午前中を対象に旧市街地の昇温に寄与する移流熱量を見積もったところ、7...

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Published in地球環境シンポジウム講演論文集 Vol. 16; pp. 73 - 78
Main Authors 東海林, 孝幸, 北田, 敏廣
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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ISSN1884-8419
DOI10.2208/proge.16.73

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Summary:インドネシア・ジャカルタの都市域の拡大と旧市街地の気温上昇との関係をメソスケール気象モデルを用いることにより調べた。解析対象期間は乾期の日中とし、ジャカルタ市内にある空港で測定されている気温・風速のデータを使用したモデル性能の検証後、1970年代の都市域 (旧市街地) と2000年の人口密度分布から推定した都市域をもとに計算を行い比較した。結果、1) 旧市街地で収束する流れにより旧市街地周辺から発生した熱の輸送で日中の平均気温が1970年代と比べ約0.6℃ 、最高気温で約0.9℃ 上昇した。2) 冷気 (海風) の影響が少ない午前中を対象に旧市街地の昇温に寄与する移流熱量を見積もったところ、70年代では-0.7 [W/m2] であったのに対し2000年では77 [W/m2] となった。これは旧市街地における平均地表面顕熱量の約4割に相当する。
ISSN:1884-8419
DOI:10.2208/proge.16.73