高度の浮腫を主徴とした透明中隔嚢胞の1例
糖質ステロイド投与中止後の下垂体副腎機能を臨床的に観察した結果,副腎不全のみならず下垂体機能の異常も認められた.次いで,コーチゾン投与ラットにACTHあるいはanabolic steroid (AS)を併用し,投与中止後の下垂体副腎機能について詳細に検討した結果, ACTH併用は副腎の形態学的萎縮を予防したが,投与中止後の一時的な下垂体副腎系の機能低下はまぬがれ得なかつた.一方, AS併用は副腎重量の減少を防止し得なかったが,副腎のin vitroにおけるACTH-effectは比較的維持され,下垂体ACTH量も中止後早期においては正常,あるいはそれ以上に保たれていた.しかしACTH量はその後...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 51; no. 1; pp. 18 - 24 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1962
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.51.18 |
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Summary: | 糖質ステロイド投与中止後の下垂体副腎機能を臨床的に観察した結果,副腎不全のみならず下垂体機能の異常も認められた.次いで,コーチゾン投与ラットにACTHあるいはanabolic steroid (AS)を併用し,投与中止後の下垂体副腎機能について詳細に検討した結果, ACTH併用は副腎の形態学的萎縮を予防したが,投与中止後の一時的な下垂体副腎系の機能低下はまぬがれ得なかつた.一方, AS併用は副腎重量の減少を防止し得なかったが,副腎のin vitroにおけるACTH-effectは比較的維持され,下垂体ACTH量も中止後早期においては正常,あるいはそれ以上に保たれていた.しかしACTH量はその後漸減し, ACTH併用と同様の傾向を示した.以上の成績より続発性副腎不全の予肪に関し, ACTHとの併用という従来の方法は必ずしも満足すべきものではなく,むしろASを併用し,投与中止後にACTHを短期間使用するのが最も合理的な予防方法であると考えられた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.51.18 |