海綿状血管腫に対する手術における工夫 合併する静脈性血管奇形に対する配慮

「はじめに」developmental venous anomaly(DVA)を合併した海綿状血管腫に対する手術では, DVAを温存することがきわめて重要である. 当施設で経験した症例について, 特に機能的に正常脳の静脈流出路を担っているDVAに配慮した手術アプローチの工夫に関して報告する. 「対象と結果」2000年5月から2009年10月の期間において当施設で治療された頭蓋内海綿状血管腫20症例に関して検討した. 男性10症例, 女性10症例, 平均年齢44.0歳(12-70歳)であった. 発生部位は脳葉12, 基底核2, 小脳3, 脳幹2, 小脳橋角部1, 眼窩内2, 海綿静脈洞1, 頭蓋...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 堀, 聡, 永尾, 征弥, 永井, 正一, 林, 央周, 栗本, 昌紀, 遠藤, 俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 31.01.2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.19

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Summary:「はじめに」developmental venous anomaly(DVA)を合併した海綿状血管腫に対する手術では, DVAを温存することがきわめて重要である. 当施設で経験した症例について, 特に機能的に正常脳の静脈流出路を担っているDVAに配慮した手術アプローチの工夫に関して報告する. 「対象と結果」2000年5月から2009年10月の期間において当施設で治療された頭蓋内海綿状血管腫20症例に関して検討した. 男性10症例, 女性10症例, 平均年齢44.0歳(12-70歳)であった. 発生部位は脳葉12, 基底核2, 小脳3, 脳幹2, 小脳橋角部1, 眼窩内2, 海綿静脈洞1, 頭蓋骨1病変であった. 発症様式は頭痛6症例, 痙攣5症例と多く, 他は複視, 片麻痺, 知覚障害などであった. 多発例は4症例で, DVAを合併した症例は20例中5症例であった(Table 1).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.19