脳卒中片麻痺患者の車椅子移乗動作に関する分析 健側配置と患側配置による比較
脳卒中後の片麻痺患者6名を被験者に,目的物を健側に置く健側配置と患側に置く患側配置の移乗動作の動作経済性および安定性について,三次元動作解析装置を用いて比較した。 動作経済性は,動作時間と重心の変位を,安定性は,重心の軌跡および目視による動作観察,主観的情報を評価した。 1) 動作経済性では,健側配置,患側配置における左右方向の重心変位の中央値は,それぞれ35.0cm,52.3cmと患側配置で有意に大きかった。 前後方向の重心の軌跡長の中央値は,それぞれ130.82cm,120.17cmと健側配置で有意に長かった。 また,下肢 Brunnstrom StageⅡの被験者における健側配置,患側配...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 4_77 - 4_86 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
01.09.2001
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Subjects | |
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ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20010901007 |
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Summary: | 脳卒中後の片麻痺患者6名を被験者に,目的物を健側に置く健側配置と患側に置く患側配置の移乗動作の動作経済性および安定性について,三次元動作解析装置を用いて比較した。 動作経済性は,動作時間と重心の変位を,安定性は,重心の軌跡および目視による動作観察,主観的情報を評価した。 1) 動作経済性では,健側配置,患側配置における左右方向の重心変位の中央値は,それぞれ35.0cm,52.3cmと患側配置で有意に大きかった。 前後方向の重心の軌跡長の中央値は,それぞれ130.82cm,120.17cmと健側配置で有意に長かった。 また,下肢 Brunnstrom StageⅡの被験者における健側配置,患側配置での動作時間の中央値は,それぞれ8.8秒,12.3秒と健側配置で有意に短かったが,下肢 Brunnstrom StageⅢの被験者では,有意差は認められなかった。 2) 安定性では,下肢 Brunnstrom StageⅡの被験者は,重心の軌跡をみると,患側配置での移乗においてバランスを崩しており,動作観察でも患側の膝折れがみられた。 下肢 Brunnstrom StageⅢの被験者では,どちらの配置でも移乗動作は安定していた。 これらより,患側下肢に支持性がある者は,患側配置でも安全・安楽であることが示唆された。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20010901007 |