新卒看護師の職場適応に関する研究 リアリティショックと回復に影響する要因

本研究では、新卒看護師のリアリティショックと回復に影響する要因を分析した。病院に勤務する新卒看護師116名に対し,就職後3ヶ月と6ヶ月にアンケート調査を行った。結果,就職後にリアリティショックに陥っていると思われる者は3ヶ月時65.2%,6ヶ月時46.4%であった。また,新卒看護師の予期せぬ苦痛について因子分析を行った結果,6因子を抽出した。これらの苦痛因子はショック反応と正の相関を示し,「職場の人間関係に関する苦痛」が3ヶ月時に最も影響し,「勤務形態に関する苦痛」が6ヶ月時に最も影響していた。さらに,リアリティショックの改善した群は,6ヶ月時に「看護技術に関する苦痛」「患者および家族への対応...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 1_91 - 1_99
Main Author 水田, 真由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.04.2004
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20040106006

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Summary:本研究では、新卒看護師のリアリティショックと回復に影響する要因を分析した。病院に勤務する新卒看護師116名に対し,就職後3ヶ月と6ヶ月にアンケート調査を行った。結果,就職後にリアリティショックに陥っていると思われる者は3ヶ月時65.2%,6ヶ月時46.4%であった。また,新卒看護師の予期せぬ苦痛について因子分析を行った結果,6因子を抽出した。これらの苦痛因子はショック反応と正の相関を示し,「職場の人間関係に関する苦痛」が3ヶ月時に最も影響し,「勤務形態に関する苦痛」が6ヶ月時に最も影響していた。さらに,リアリティショックの改善した群は,6ヶ月時に「看護技術に関する苦痛」「患者および家族への対応に関する苦痛」「勤務形態に関する苦痛」が有意に軽減し,ソーシャルサポートの知覚が有意に増加した。これらの結果は,リアリティショックからの回復のための支援の資料となり,効果的な教育への示唆が得られた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20040106006